対局が行われる前日の10月2日の金曜日にYoutubeライブをひとつやりました。
そのライブの中で、対局される市長と町長をこのような感じで(めちゃめちゃ失礼ながら)寸評させていただきました。
[濱田高槻市長]
元検事にして弁護士の二刀流
攻めて一流守って一流
そのオールラウンダーぶりが法廷から中将棋盤上で発揮されると考えると恐ろしい
切れ味とバランスを兼ね備えた差し回しが期待できそうです
[山田島本町長]
非常にお若い方です
趣味にボードゲームと書く方の中将棋の強さは異常で、
中将棋は盤が大きいので、状況をある程度アバウトに判断してベターな選択を取れるボドゲ勢に向いてる部分が大きい
豊富なボドゲ経験からの柔軟な駒捌きに期待しましょう
いや、すいません。
これ喋ってるとき、期待しましょう~なんて言ってる通りにホントになっちゃうとは
正直思ってませんでした・・・
ホントすいません!
さて、序盤5手以降も熟練の中将棋プレイヤーのような差し回しが続きますが、
まず最初に主導権を握ったのは後手の山田島本町長の方でした。
[中盤その1 この対局最大の争点が生まれたかも]
高槻市の名物や高槻市が取り組んでいるプロジェクト「BOTTOたかつき」の紹介の後の局面です。
ぱっと見私もわからなかったんですが、5筋で歩と飛車の取り合いが行われたところと思われます。
もしかするとこの局面になる直前の数手が、この対局の一つの見所だったかもしれませんw
後手の手番です。
先手濱田市長の右の龍王が、2七のマスまで進んでいます。
本将棋にも石田流やひねり飛車など飛車を前面に出して戦う戦法がありますが、おそらくそれに近いイメージで龍王を展開されたのかと思います。
考え方としては非常に素晴らしいです。
が、同時に龍王が狙われやすい形にもなってしまいました。
5七に銅将を配置したことで、逃げ場がなくなっているのも辛いところです。
逆に後手の山田町長の方は、3~4筋方面に戦力を集めていますが、この戦力の並びが非常に素晴らしいです。
前面には歩兵,仲人
中段には銅将があり、銀将も控えてます
後ろには鳳凰,龍馬,奔王
中将棋は「自分の弱い駒と相手の強い駒を交換すれば有利」なゲームですので、
このように弱い駒を前に出して、後ろの強い駒で守る形は理想的と言えます。
ボードゲームプレイヤーらしい勘所をつかんだ作戦・・・だとしたら凄すぎです。
この先手濱田市長の龍王が生き残るか、あるいは取られるか。
そこがこの対局のかなり大きな、もしかしたら最大の争点になるんじゃないかな~と思いました。
この盤面で、後手が先手の獅子を攻めるやり方として、以下の一例をあげてみます。
(2手目の先手の手は適当です。右側の争点に関係ない手を指したものと思ってください)
このように、2三に竪行がいるのを生かして、銀と銅の2枚で龍を攻め立てていく作戦が成り立ちそうです。
ここで山田町長は4四銀と、じっくり中央の厚みを強化する手を選択しました。
すぐには攻めず力を溜める、というのもまた中将棋ではとても重要な考え方です。
実際に指されたそこから数手分の手順を紹介します。
穏やかな展開ではあるんですが、先手濱田市長の玉頭のコビンを埋める金上がり、後手山田町長の獅子狙いを見据えた馬上がりとそれに対する先手濱田市長の先受け、1手1手に狙いや意図が現れたとても良い応酬です。
中将棋は対局が長いので対局中ボーッとしてくることも割とあるんですが、このように集中して指すのが大事なんだなあと思いながら、ボーッと眺めておりました。
いやいや、見習わないとね!
(つづく)