獅子王戦2021 2回戦第2局 ハリュマルさんvsフォクソンさん

2回戦第1局は1回戦勝者同士。
中村充さんvsGeraltさんの対局です。
なのですが…

すみません!棋譜を取り損ねてしまいました!
かなりのスピード決着だったようで、鋭い攻めが決まったものと思われます。
結果はGeraltさんの勝ち。決勝進出です。
 
 

……気を取り直して、2回戦第2局いきましょう。
こちらも1回戦勝者同士。
先手ハリュマルさん、後手フォクソンさんでございます。

[先手(手前側):ハリュマルさん 後手(奥側):フォクソンさん]

 
 

43手目の局面。
先手は高獅子、後手は玉の近くに龍2枚を引き付ける双龍戦法の構え。

お互いの奔王が最下段に引かれているのが特徴的ですが、これは手筋です。

中将棋というゲームをめちゃめちゃ大雑把に言ってしまうと
「自分の弱い駒で相手の強い駒を取るゲーム」
です。

銀や銅のような弱い駒を上がるといいよ~と言われる理由はまさにそれ。
加えて、強い駒を予め下がっておくこともまた良いことなのです。
飛車と角の特徴を兼ね備えた奔王は中将棋でも2番目に強いとされる駒で、序盤では今一つ使いづらいことから、最下段に下がる戦法が多用されます。
 
 

戦いの始まりは後手から。10筋から仕掛けていきます。
108手目の▽9七獅子→▽10七獅子は理想的な獅子の使い方。

1手前の局面、先手の駒の効いているマス目に色を付けてみました。
緑が濃いほどたくさんの駒が効いています。
銅の横、10七のマス目に先手の駒が効いていないことがわかるかと思います。
後手はその隙を見逃しませんでした。

仲人も取りつつ獅子を先手の駒が効いていないマス目に搔い潜らせます。

そしてこの形、銅取りを受ける手がありません。
 
 

苦しい展開が続く先手ですが、チャンスが訪れます。
144手目。後手が▽8八成龍と歩を取り込んだところ。
先手にいい手があります。

 
 
 

この手に対しては、▲8八同獅子と龍を取り込む手が成立します。
一見獅子に取られてしまいそうですが、11十一の馬がしっかり効いています。
(▲8八同馬もOK)

中将棋は盤面が広い分、低い位置に引いた角や馬は視界に入りづらく、見落としがちです。

私も何度も見落としたことがあり、後手の悲しみがホントにホントに良くわかります。
 
 

そして158手目。
後手は▽9七奔王と獅子取りをかけましたが…

 
 
 
 

▲9七同鳳凰と、奔王を取ってしまう手がありました。
斜め2マス先にジャンプできる鳳凰も、これまた見落としやすいポイントです…
 
 

ここで後手側無念の投了。

後手は駒損も大きく、さらに前に出た獅子に足をつける(ほかの駒を獅子のいるマスに利かせる)手段に乏しいです。
一方先手は獅子で左の横行などを狙えそう、また2枚の龍も成りやすそうなポジションをキープ。
先手大優勢、投了もやむなしの局面かと思います。
 
 

ということで、決勝進出はハリュマルさんとなりました。
超強豪Geraltさんとどのような戦いを見せるのか?
決勝戦の投稿はおそらく10月7日くらいになると思います。お楽しみに!

待ちきれない方はまとめページの下の方にある3回戦の動画を見てくださいね~♪

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